修了考査の個別の受験科目について、第3弾は会計実務編を取り上げていきます。
会計実務の試験では、論文式試験のように計算と記述問題があります。
それぞれの勉強方法等、テクニカルな点も含めてご紹介していきます。
会計実務については、以下の各項目ごとに記述・計算に分けてそれぞれ整理しました。
目次
出題範囲について
●記述編
記述問題は、ある程度知ってないと書けないような知識のはき出し的な問いも出てきます。
例えば、「この会計処理の要件は何か答えよ」みたいなことから、「減損に関して注記はどのような記載を行うか記載せよ」みたいな問いが出ます。
会計処理の要件なんかは問われてもおかしくない気がしますが、注記は正直細かいの話だと思いますし、掘ったらきりがないですよね~…
一方で、論文式試験の時のような基準の背景や論拠のようなものを記述させる問題はあまり出ない印象があります。
また、論文式試験のような法令集もありません。イメージとして、論文式試験で覚えた記述とは少し領域がずれる印象です。
加えて、IFRSなんかも試験範囲のため、論文式試験のではなかった新たな項目の存在も注意しましょう。
●計算編
計算は、論文式試験の時に力を取り戻せればある程度戦える気がします。
というより、他の科目などの勉強もあるため、そこまでやり込めないと思います。
こちらは、論文式試験のように総合問題と個別問題の形式があるため、どちらの形式にも慣れておく必要があります。
また、実務より計算として、税効果や減損等の重要項目については問われる可能性が比較的高い印象です。
私の受けた年では、収益認識の問題が幅広く出た印象です。
勉強のスタート時期とレベル感
●計算について
計算のスタート時期と問題のレベル感について紹介します。
計算の問題は、簡単な箇所と、難しい箇所がちりばめられており、論文式試験の時のような問題とあまり大差がない気がします。
ただし、論文式試験の時に勉強を避けてきた組織再編等も出る可能性は高いため、その辺は苦手な方ほど基本をベースに勉強することを
おすすめします。
スタート時期は、1~2か月前あたりで間にあう気がします。
そもそも計算力はたった数カ月で上達するものでもなく、他の科目の勉強もあるので、論文式試験の時の感覚を思い出す程度とどめるとして、スタート時期はそのぐらいでよいのかと個人的には思います。
●記述編
計算とは対照的に、記述はかなり勉強のウェイトを置いた方が良いと思われます。
過去問を見ても知っていないと手が出ないような記述も多く、前述でも記載した通り、あまり論文式試験の時にも勉強したことがないような箇所が出題される印象を受けます。
スタートの時期ですが、4カ月前からをおすすめします。(私は3か月まえから行いましたが、個人的に後半きつかったです。)
記述はIFRSなどの全く論文式試験でやってこなかった範囲も含まれますので、税務の次に早めに手を付けた方が良いかと思います。
勉強方法について
私の勉強ウェイトですが、ざっくり記述テキスト8割:計算テキスト2割の配分でした。
計算は論文式試験の時を思いだす程度であり、一方で、記述についてはテキストを網羅的に読み込みました。
ここから、勉強序盤・中盤・終盤で、私が実践したそれぞれの勉強イメージを紹介します。
●勉強序盤(4~2か月前)
3か月前からスタートしましたが、記述用のテキストしか見てません。
記述用のテキストはほぼ文章ですので、まずは、講義の動画を視聴して、出題可能性の高いポイントや読んだだけだとイメージがわかない論点などについて重点的に、キャッチアップしていきました。
講義が一周したら、テキストを回す準備ができますので、そこからは2週間に一周は出来るように読み込んでいきました。
その際、授業であまり触れてなかった部分も一度は読んでみたりして、自分なりに重要そうな部分もマーカー等を引いていき、網羅性を高めました。なお、この時点では、ほとんど記述はまだかけない状態です。
●勉強中盤(2か月~3週間前)
このタイミングでも、記述のテキストしか私は勉強をしてませんでした。
個人的に計算は自信があったのと、IFRSなどの論点や収益認識が初見の論点だったこともあり、自分が読みにくい部分や新しい項目のみを重点的に読むようにしました。この時からはある程度アウトプット気味(頭の中で読んだことを思い浮かべる)ような読み方を取り入れました。
ここでポイントですが、IFRSは日本基準との違いが大切であり、試験でもその論点が問われる可能性が高いと思います。
例えばですが、実務で仮にIFRSを導入するクライアントがいた場合、そのクライアントはきっと今までの会計処理と相違する点を知りたいはずです。実務上、日本基準と変わらない部分について手当てをする必要はあまりないので、必然的に論点になりにくいはずです。
そのため、勉強でも日本基準と異なる項目を重点的に抑え、もし仮に、日本基準と変わらない部分が試験で問われたとすれば、日本基準と同じようなことを記載すればいいと、私は割り切ってました。
●勉強終版(3週間前~本番直前)
この時から計算の勉強を開始しました。
計算は思い出すこと目的なので、計算テキストはさらっと確認し、不安がある論点だけだけを解きました。
一方で、解き方がわかる論点や一度解けた計算論点は、その後は2度と振り返りませんでした。
結果的に、計算テキストは半分も見ておらず、また結果的に計算の講義は一切視聴しませんでした…(あくまで個人の経験です)
ただし、注意点として、計算については総合問題が出るため、答練で実践形式の問題に触れる必要があります。
そのため、答練の総合問題はしっかり時間を図って解き、復習もしっかり目に行いました。
そのため、計算についてはテキストよりも答練を重視するスタイルでした。
本番でのマインドセットは難しい問題は深追いせずに、みんな間違うだろうと割り切って、基本の部分を確実に回答できるように心がけました。この点は論文式試験と同じですかね~。
記述については、すでに勉強が進んでいることから、ペースをなるべく崩さすに読み込みを継続しました。
答練もこの時に初めて着手しましたが、テキストのここに書いてあったな~と思い出せればOKかと思います。
ただし、アウトプットする教材が答練だけですと心細いので、テキストを読む際には意識的に頭で「この会計処理の要件は何だっけな~」「このキーワードの定義は何だっけな~」というようにアウトプットを心がけました。
また、10日前に差し掛かったあたりから、徹底的に習熟度が弱い論点だけを読みこみました。
試験を受けた感想について
私が受けた代は、会計実務だけが異様に難しく感じました。
正直時間がない中で見直しもろくにできず答案を作成しましたので、計算について合ってる気がしませんでしたね…
しかし、記述はそれ相応の回答を書ければOKで、どんなに焦っても計算ミスのようなリスクもないので、結果、記述に救われたと思ってます。この点からも、計算より記述の勉強を中心に行ったことが功を奏したと思います。
また、余談ですが税効果が多く出た印象です。
確かに実務では税効果はどの他の個別の会計論点でもかかわってくる会計処理なので、そういった意味ではより実務向けなのでしょうか…(汗)
以上、会計実務編のお話でした。次回は第4弾として、税務実務編を紹介します。
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